斉藤守彦が書いた、映画の本
【about this book】
「映画を知るための教科書 1912−1979」
この度、映画ジャーナリストとして活躍中の斉藤守彦の最新刊「映画を知るための教科書 1912−1979」が刊行される運びとなりました。 世には多くの映画関連書籍があります。多くの読者は「映画を理解する一助に」と、粗筋と解説がまとめられたものを手にします。また「映画の作り方」のハウトゥが書かれたものもあります。これで読者は「作り手になった気分」に浸ります。しかし、それで「映画」を本当に理解したことになるのでしょうか? 映画はサービス産業であり、様々な仕事が派生する世界です。この点について総括的に書かれた書物は稀です。 本書は、今まで総括される機会が少なかった映画産業の俯瞰図を、1912年から1979年までの映画界と配給・興行の歴史を辿りながら、読者に提示していくものです。産業としての映画史を知ること、すなわち、映画を知ることだと考えております。 映画が「ソフト」となった80年代以降、そして「動画」と呼ばれるようになった21世紀。観客に寄り添う形で「映画」があった時代の出来事を学ぶ価値があります。本書が「教科書」の名を掲げる理由であります。
Index
目次
●第一章 映画産業の基本~映画はいかにして生産されるのか、興行とは何か
◎あなたの書いた企画書が映画化される可能性はあるか?
◎「製作」と「制作」の違いとは?
●第二章 流通~配給と興行の歴史 日本の映画会社の成り立ち、洋画配給の実 態
◎興行とは何か?
◎自社封切り館と洋画系劇場 ◎戦争と映画業界
◎日活、松竹、東宝、東映の戦後 ◎新東宝の野心的経営、その失敗
◎映画が娯楽の王様だった時代
●第三章 斜陽化の始まり
~1960 年代の映画業界 テレビの登場と起死回生の ビジネスチャンス
◎激減する観客、テレビを敵視
◎外部プロダクションの導入
◎外国映画の輸入自由化
◎ディズニー・ロードショウ、007 がヒット驀進
◎映画産業とボウリング
●第四章 洋高邦低と拡大興行 一大娯楽産業の終焉~1970 年代の映画業界
◎ダイニチ映配の試みと失敗
◎「日本沈没」と大作ロングラン興行
◎松竹会長が大反対した「砂の器」
◎興行サイドが仕掛けた「エクソシスト」ヒット
◎「タワーリング・インフェルノ」「ジョーズ」全国拡大公開の時代へ
◎アウトサイダー角川春樹の映画参入
著者:斉藤守彦 1961年生、映画ジャーナリスト。「映画宣伝ミラクルワールド」「80年代映画館物語」「日本映画、崩壊」「映画館の入場料金はなぜ1800円なのか」など著書多数。
「映画を知るための教科書 1912−1979」
2016年3月上旬発売。全288ページ、価格:本体2500円+税
問い合わせ先:洋泉社・田野辺尚人(担当) tanobetreasure@gmail.com